2011年11月22日 2
面会が終わりT君が血相を変えて部屋の入り口にいた。
外では自分たちの事件が大事件に発展しているという。
なので今日から2人は違う部屋になるという。
それは困る。まだ自分は何もわからないし金もあまり持っていない。困る。
困ると思っていたがT君は部屋に入らず、出て行ってしまった。
自分がうつむき不安な顔をしているのが周囲の人がわかったらしい。
みんなが話しかけてくる。だが何を言っているのかわからない。
ボスが英語でゆっくり話しかけてくる。自分を慰めていてくれているようだ。
人相の悪い奴も私に気遣ってくれている。まんざら悪い奴らではない。
それだけが救いだった。
***
22日現在の今は、金は少しだが10ドル,20ドルと入るようになった。
外でジュース、タバコ最低限のものは買える。
刑務所のご飯にもお金は必要だ。
今まで米しか食ってなかったので気がつかなかったが、おかずは3グループに分かれ各自作っている。
私はカンボジア人の囚人からタダ飯を食わしてもらっているという事だ。
水を飲むのも金、米を食べるのにも金、外に出るのも金(看守にチップを1ドルくらい)
例えば、面会が来るとする。
面会のところに行くまでにタバコ一本を渡す。
面会が終わり部屋に着くまで3ドルが看守へのチップ。
これはたまらないが、これが現状だ。
なにしろ金が全て。自分は一刻も早く金をなんとかしなければならない。
肝心の私の仕事関係の面会は一度しか来ていない。
明後日また来ると言い、来なかった。
参った。金がない。本当に情けない話だ。
このまま死んでしまおうかと思った。